勤めた会社を退職するときには手紙を書いたり
メールを送ったりすることがあります。
退職経験がなく、
初めて退職の挨拶をする場合には
お礼の他に何を書けばいいのか
わからないこともあると思います。
この記事では例文を示しながら
社内向けのメール文のコツをお伝えします。
いろいろな職場で退職者を見送ったり
退職したりしてきた経験から
「挨拶には人柄が滲み出るものだな…」
と感じます。
同業者はどこで人間関係が
つながっているかわかりません。
しばらくして同じ職場に
再就職することもあります。
去る鳥跡を濁さずの精神で、
お礼の挨拶を考えてみましょう。
退職理由の伝え方
退職の理由は人それぞれ。
自分のためにも相手を不快にさせないためにも
ポジティブな内容で伝えるよう
心がけましょう。
伝えたくない相手に
正直に伝える必要はありません。
「色々ありまして…」とぼかしましょう。
不要な誤解や退職後のトラブルを
避けるためにも
全ての理由を伝える必要はありません。
一身上の都合で、と伝えるのが一番スマート。
転職先も教えなくて問題ありません。
お礼のポイント
在職中にお世話になった同僚や
過去の上司に挨拶する場合は
思い出のエピソードを添えると
自分の思いが伝わりやすくなります。
具体的にかけてもらった言葉を混ぜると
より伝わりやすいでしょう。
就職してすぐに辞めない限り
同じ目標に向かって頑張った思い出は
1つや2つではないはず。
学んだ内容や貴重な経験を語るのも
お互いにとって良い振り返りになります。
自分が心からお礼の挨拶をしたい
と思った人に挨拶すれば良いのです。
メールの例文
書き出しの言葉
- いつも大変お世話になっております。以前の〇〇の件ではありがとうございました。
- 急なご連絡にて失礼します。
- 私事で大変恐縮ですが、このたび○○末をもって退職することになりました。
お礼の言葉
- 〇〇さんをはじめ、皆様には本当にお世話になりました。いつも温かく優しいお心遣いをいただき、深く感謝を申し上げます。
- 在職中、数々の仕事で助けていただいたことに厚く御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
- いつも的確なご指示をいただき誠にありがとうございました。〇〇さんにはいつも温かくご対応いただき心より感謝申し上げます。
締めの言葉
- 今後とも皆様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。
会社に不満があって辞めるときは
挨拶をしにくい気持ちだって
あることでしょう。
そんな時でも最後まで好印象を与えることで
円満な退職を実現しましょう。
退職で大切なのは
いかに円満に退職するかということ。
その他のポイント
- メール件名は「退職の挨拶」とわかるようにする。
- 退職理由は書かなくてもいい。
- 退社日がわかるようにする。
- パソコンの返却日から逆算してメールを作っておく。
残る職員からの返信挨拶
受け取った側も退職者を労う気持ちで
気持ち良く返信しましょう。
とにかくポジティブに、
具体的なエピソードや
励ましを追加して
アレンジしてください。
- お疲れ様です。 この度はご多忙にもかかわらず 退職のご挨拶をいただき誠にありがとうございます。 ○○さんにはこれまで長期にわたり〇〇部のためにご尽力いただき、本当に助かりました。(具体的エピソード) 末筆となりますが○○様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
- この度はご多忙の中、退職のご挨拶をいただきありがとうございます。 平素より何かとお力添え頂き心より感謝申し上げます。 いつも温かく丁寧なご指導をいただき大変助かりました。(具体的エピソード)
- いつも温かく丁寧にご対応いただき厚く御礼申し上げます。 いつも迅速にご対応頂けるおかげでいつも業務を進めることができていました。 (具体的エピソード)本当にありがとうございます。 退職されてもこれまで以上にご活躍されることを応援しています。 お体には気をつけてお過ごしください。 今まで本当にありがとう。
- ○○さんにはいつも丁寧にご対応いただき、私としてはいつも助かっておりました。(具体的エピソード) 心より感謝申し上げます。急なお話で驚いていますが、お悩みのことも多くあったことでしょう。ここでの経験は次の場所でも必ず活きるはずです。 新天地でこれまで以上にご活躍されることを期待しております。 お身体には十分お気をつけください。今まで本当にありがとう。
- これまで○○部のためにご尽力いただき本当に助かりました。 (具体的エピソード)ありがとうという気持ちでいっぱいです。 ○○さんが退職されるのは寂しい限りですが、 新しい職場でより一層のお力を発揮されることを期待しています。 健康に留意してお元気でお過ごしください。 今まで本当にありがとうございました。
残る職員の在り方と注意点
私が実際にかけられたことのある言葉として
「辞めるのは勿体無い」とか
「辞めたらどうするの?」
などといった文言があります。
仲が良くない限り「何を今さら」と
思える言葉です。
少し考えたらわかることです。
デリカシーのない言葉は控えましょう。
医療関係者に限らず
上司や同僚が退職者に対して
嫌がらせをすることは
決して珍しいことではありません。
たとえば引き継ぎの場面で
お説教事件が起きたりします。
人格が未発達な上司や同僚は
「自分の仕事が増えて迷惑だ」
「忙しい時期に転職するなどわがままだ」
「退職者は反論できないだろう」
などと考えるからです。
そして嫌がらせを受けた退職者は
きちんと引き継ぎを行わなかったり
負の遺産を残したりすることがあります。
驚くべきことに、
急に来なくなる退職者もいます。
しかしそうなってしまうのは
職場管理上の問題です。
残る職員は気持ちよく退職してもらうことに
注力しましょう。
退職者は危険を察知したら複数で
引き継ぎを行うようにしてください。
また「忙しくて時間がない」
「引き継ぎの仕方がわからない」といって
休暇消化に走ろうとする職員がいれば
職場内で協力して引き継ぎしてもらいましょう。
退職が公開された後の
スケジュール管理は管理職の仕事です。