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業務委託で契約するときの注意点【保健師】

この記事は業務委託の保健師の仕事を選ぶかどうか

迷っている方におすすめです。

今回は小規模事業場産業医活動助成金の

お仕事について取り上げています。

助成金や産業保健に関する仕事は

保健師の仕事の中でも

とくに給与が高いので

魅力的と考える方が多いと思います。

私も同じことを考えていました。

今回は、これまで経験した

業務委託の仕事の中で

気になったことや

契約前にあらかじめ

知っておきたかったことを

書いてみたいと思います。

私が業務委託で関わったことのある仕事は

  • 小規模事業場産業医活動助成金に関わる保健師の仕事(1事業場あたり5千〜1万円)
  • 産業保健師(日当2万円)

です。企業との業務委託契約内訳は3件。

契約期間はのべ2年間です。

小規模事業場産業医活動助成金

契約する業者の見極めについて

2社と異なる時期に契約をして

保健師業務に携わりました。

いずれも、とある士業の法人でした。

どちらの会社も事業の一番目に

「助成金代行」と掲げています。

ここがまず1つ目の注意点です。

助成金代行の業者は保健師にはあくまでも

業務完遂を求めている立場であって

契約や日程調整を担当する窓口の事務スタッフに

産業保健知識はありません。

もちろん困った時は相談窓口になってくれますが

相談内容は保健師がその場で

解決するのが基本になる仕事です。

小規模事業場産業医活動助成金とは

小規模事業場産業医活動助成金は、

労働者数50人以下の小規模事業場における

産業保健活動を促進するために

設けられた制度です。

労働者健康安全機構では、事業者が使用する労働者の健康管理、健康教育その他の健康に関する業務について、事業者及び産業医等の産業保健関係者が行う自主的な産業保健活動を支援することにより労働者の健康の確保に資すること並びに小規模事業場の事業者及び労働者に対する産業保健サービスの提供による労働者の健康確保を図ることを目的とした事業を行っております。

独立行政法人 労働者健康安全機構ホームページ

独立行政法人労働者健康安全機構は、

厚生労働省が所管する法人です。

小規模事業場産業医活動助成金には、

3つのコースがあります。

  1. 産業医コース
  2. 保健師コース
  3. 直接健康相談環境整備コース

このうち私が従事したのは保健師コースです。

その経験から申し上げると

個人的には「小規模事業場産業医活動助成金」

という制度にいくつもの

問題点があると考えます。

なぜなら申し込んだ会社にとっては

助成金をもらうことが目的となり

本来の健康相談や制度の構築などの目的が

ほとんど果たされていないと感じたためです。

労働者健康安全機構ホームページには

令和4年度産業保健関係助成金の実施可否については検討中

とありました。

助成金が本来の目的を果たすよう

充分に検討してもらいたいものです。

国が本当に産業保健体制を

構築したいのであれば

助成金を利用した会社に

どのような効果があったのか

充分に検証するべきだと思います。

不正受給事案の公表

2022年9月2日、

独立行政法人 労働者健康安全機構ホームページで

産業保健関係助成金の不正受給事案が公表されました。

これにより全ての事案の審査が

行われているようです。

具体的な問題点

具体的に気になった問題点は以下の通り。

  1. 電話面談の目的を理解していない従業員と面談することがある
  2. 職場や人物の背景など基本情報がわからない状況で電話面談を行う
  3. 面談予約が希望どおりに入る保証がない
  4. 携帯電話が支給されないことがある

もし業者と業務委託契約を結ぶならば、

この4点を充分に理解した上で

契約に臨まれると良いかと思います。

1.電話面談の目的を理解していない従業員と面談することがある

9割方は問題ないのですが

一部で保健師との電話面談の目的を

理解していないケースがあります。

保健師が会社にいないのですから

当たり前といえば当たり前です。

ただ、担当窓口による周知不足は否めません。

時間がないので早く終わってほしいと急かされたり

「何を話せば良いんですか?」と言われたり。

極めつけは「何も相談することはありません」で

面談終了です。

報告書に健康相談を実施したとは書けますが

上記のようなことを言われた時は

モヤモヤしたことをよく覚えています。

数分の面談で果たして保健師活動ができたと言えるのか、と。

保健師コースの仕事を経験してみて

社内に保健師活動の実績があるのとないのとでは

面談のスムーズさが全く違うことも

よくわかりました。

2.職場や人物の背景が全くわからない状況で電話面談を行う

電話面談は1回で完結する相談業務です。

しかも相手が面談を希望しているか

どうかわからない状態での電話面談。

希望の有無は意外と重要です。

「上に言われたから仕方なく面談を受ける」

といったタイプの面談は

少し難易度が高いです。

特定保健指導に携わったことのある

保健師さんならよくお分かりのことでしょう。

一般的に保健師の健康面談というのは

  • 健康診断結果
  • 職場や上司、家庭などの環境
  • 性格

をふまえて面談します。

あるいは、初回面談でこれらのプロフィールが

カルテに記録された上で

継続的に面談しているのが

一般的ではないでしょうか。

ここで注意点の3つ目です。

小規模事業場産業医活動助成金の保健師コースは

こうしたマニュアルも過去の実績もありません。

何も手元にないゼロの状態から始めるのです。

1回の電話面談でそんなことできるの?

と思ってしまいますよね。

もし健診結果が事前にもらえたら

ラッキーでしょう。

問診票がないので

自分で聴き取りメモを作りましたし、

面談した相手の半分ぐらいは社長さんでした。

問診のスキルはもちろんのこと、

接遇面でのビジネススキルも必要です。

私の契約したは業者2社からは、

事前打ち合わせの際に

「相手の質問に答えてもらえば良いです」

といった趣旨のことを言われました。

営業や事務の担当者からすれば

その言葉はその通りだと思います。

ここで私が声を大にしてお伝えしたいのは

  • 何も状況がわからない状態で受ける1回完結型の相談業務である
  • 対面の面談とは違うスキル(電話、接遇)が必要である

ということです。

メンタル相談にしても

ハラスメント相談にしても

電話で5分で終わるような話なら

産業医も保健師もいらないよ、という話です。

今の制度では難しいですが、

個人的には相談内容に条件をつけても

良いぐらいだと思っています。

3.面談予約が希望どおりに入る保証がない

助成金の申請があった企業から順番に

面談予約を調整するシステムのため

企業からの申請がなければ仕事が入りません。

わかりきっていることではありますが

業務委託の保健師は

業者にとって便利な存在ですよね。

契約締結の段階で

いくら耳障りの良いことを言われても

仕事が希望どおりにもらえないリスク

きちんと押さえておくとよいでしょう。

逆に、面談が入るのかどうか

当日までわからないのも

結構なストレスになります。

そのあたりについては

あらかじめ担当窓口とよく調整しておきましょう。

仕事のしやすさは自分自身で作るということです。

業者が仲介するメリット

業者は、助成金の手続きを代行する代わりに

助成金の一部を手続き料として

受け取る仕組みで収益を得ています。

保健師は企業から業者に支払われた額の

一部を受け取る形なので

仕組み自体にもちろん問題はありません。

業者を仲介するメリットは次の2点。

  • 業者を介して仕事を得る
  • 面談日程調整をしてもらえる

4.携帯電話が支給されないことがある

個人の携帯で相談業務を受けるというのは

自分の個人情報を相手に渡すという意味で

なかなかリスクの高いものがあります。

仕事用の携帯を持っていない場合、

よく検討したほうがいいでしょう。

さいごに

給与額だけで決めないほうがいい

給与は大切です。

ただ、今回の経験から言えるのは

よくわからない、

コントロールのきかない仕事をするよりも

自分の得意な分野で、周りの同僚と一緒に

地道に働いて稼ぐほうが幸せなのではないか?

ということです。

保健師コースの仕事がキャリアアップになるかどうかは

なんとも言えません。

小規模事業場で理想の産業保健体制を作るには

手続き代行業者を仲介せずに

産業保健を導入したい会社と

個人事業主なり会社に所属する保健師との間で

直接契約を結ぶのが

もっとも健全な姿ではないでしょうか。

専門知識を有する会社に所属していれば

保健師自身の相談を受ける体制もあって、

より安心して働けます。

産業保健体制を作りたい保健師と

導入したい企業が上手にマッチングするような

仕組みが出来たら

私も再び挑戦してみたいなあと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。